さよなら、ガールフレンド

そういうマンガがあるのだ。

 

地元のブックセンターで発掘した。

私は発掘が好きだ。

マンガ通みたいでかっこいいからだ。

あと純粋に、発売日も店員のおすすめも業界の思惑もなんもかもとっぱらわれた状態で古本屋に並ぶ漫画たちが好きだ。

興味をひく背表紙、タイトル、手に取ったマンガの横にあっただけの別のマンガ。

それらに手を出しているあの時間は、真のバトルロワイヤルって感じがする。

 

そのバトルを見事勝ち抜き、私の目にとまったのが「さよなら、ガールフレンド」だ。

ビッチな先輩とややひねくれたJKが男絡みで会話するようになり、関係が生まれる。

なんとなく話をし、なんだか気が合っているようないないような、嫌いじゃあない。

いつの間にか、けっこう好きになっている。

そういう話だ。

 

二人で工場の夜景を見に行っていた。

ビッチな先輩は、ビッチだからビールを飲む。

JKは引きながらも夜景のインパクトに目を輝かす。

田舎で見る工場の夜景って、きっと彗星が目の前で燃え続けるような感覚で綺麗だろうなと思う。彼女たちがうらやましかった。

 

 

最後はあっけなくJKが東京の大学へ行く。

行きの飛行機で、ビッチな先輩のことがけっこう好きだったと思い、やや泣く。

あっけなさも、どうしようもない感じも、よくわからない空気感も、全部確かな手触りがそこにある。

 

自分自身の昔を振り返っても、なんというかそういう、誰からも穢されることのない記憶みたいなものが一個はある。

一個はある、ということを思い出させてくれるマンガだった。